About 01 大規模改修工事について
大規模改修工事の必要性
建物は経年劣化により傷みが生じてしまいます。日常的に行う小規模な修繕では対応できない時が必ず訪れます。
大規模修繕を行っていない場合、分譲マンションであれば住み替えたいけどなかなか売れない、収益物件であれば入居者が現れない、ビルや倉庫であれば従業員が応募してこない、倉庫内の在庫が雨漏りで台無しになった等、負の連鎖しか起こりません。
建物を新築同様に戻し大事な資産を守るために大規模修繕が必要なのです。
Flow 02 大規模改修工事の流れ
建物調査からメンテナンスまで
大規模改修工事の流れをご紹介します。建物調査・診断及び改修設計から大規模修繕工事の施工管理ならびに工事後の長期修繕計画書の作成まで一貫して、お客様の財産である建物の維持・保全のお手伝いをさせていただいております。
Step1 仮設工事
大規模工事において、最初に行われる工事が足場仮設工事です。カラーコーン・コーンバーなどで作業範囲の区画し、足場を組み立てていきます。塗料等の材料飛散防止ネットを全面に張ります。足場は施工品質や安全性の面から見ても、とても重要な役目を持っています。ただ作業性だけを考えるのではなく、居住者の方々への配慮も忘れる事はできません。
Step2 高圧洗浄
外壁洗浄の工程は仕上がりを左右するぐらい大切な工程です。クリーナースーパーによるバイオ洗浄と高圧洗浄機による2種類の洗浄をします。塗料の性能を最大限発揮させるため、汚れ・カビ・藻等を念入りに洗い落とします。圧力は120~200kg/cm2になります。
Step3 タイル酸洗浄
タイルの汚れは薬品によって落とすことができます。一般的には酸性の結構強い薬品を使うため、洗浄をする人は目にはゴーグルをして、手には厚手のゴム手袋をはめ身体を露出させないように防備して作業をします。タイルの汚れを落とすだけの場合もありますが、その後にタイルをコーティングしてタイルやタイル目地を保護する事もあります。
Step4 シーリング工事
マンション等の外壁をよく見ると、建物は異なる部材の集まりになっています。建物の部材と部材の接合部の目地や建物の窓硝子やサッシの周囲にシーリング材(ゴム状)を充填し目地部から水の侵入・空気の通過を防止するために行う工事です。充填されたシーリング材が水密性・機密性を確保して漏水を防ぐことを目的としています。
既存のシーリングを撤去した後、清掃し、プライマーを塗布します。タイルの取合は、シーリングの上に塗装を施さない為、変成シリコン系シーリングを充填します。
Step5 下地補修工事
下地補修工事は建物本体(コンクリート)のひび割れ、鉄筋爆裂、欠損浮きなどを補修し、建物の寿命を延ばすと共に、その後に行う「塗装工事」「防水工事」においての仕上がりに大きく影響する工事です。どんなに良い塗装材や防水材を用いても、この躯体補修をしっかりしなければ、建物を保護する事はできなくなってしまうため、非常に重要な工事です。また、欠損補修調査を行い、欠損個所をマーキングをします。壁面補修用のエポキシ樹脂モルタルを使用して欠損補修します。
鉄筋爆裂欠損補修
鉄筋端部の発錆による欠損は、欠損部周囲の脆弱部をハンマーなどを使用し撤去します。ケレンの後、防錆プライマーを塗りつけ、補修用のエポキシ樹脂モルタルを使用します。
Step6 下地補修工事
ひび割れ(巾0.3ミリ以上)
巾0.3ミリ以上のひび割れの場合、クラックに沿ってU字型の溝を掘ります。溝にシーリング材と樹脂モルタルを充填し、平滑に仕上げます。
ひび割れ(巾0.3ミリ未満)
巾0.3ミリ未満のひび割れ補修の場合、クラック周囲を清掃し、粉化物を除去します。刷毛でセメントフィラーを擦りこみます。
Step7 下地補修工事
タイル補修工事ピンニング
浮いたタイルにテープでマーキングをし、タイルの目地の交点にドリルで穴を開けます。浮いたタイル及びモルタルを接着させる為に、エポキシ樹脂を注入し、更に固定する為に、ステンレスピンを挿入していきます。
磁器タイル張替え
タイルは躯体コンクリートに接着材料によりマンション全面に貼り付けられています。目地は目地モルタルにより埋められて概観は奇麗な外装材となっています。タイル自体は陶器や磁器質で防水性には優れた材料ですが、目地のモルタルは経年劣化により防水性能が低下して来ます。ひび割れたタイルにテープでマーキングをします。
Tile 03 タイルの浮きについて
なぜタイルが浮いてしまうのか?
最近、改修工事を行っている現場で、「壁のタイルが浮いている」といった状況 が良く聞かれます。その原因と対策についてご説明いたします。
タイル離脱の問題点
壁のタイルが浮いている状況です。既存の色と同じ目地材を詰める施工を施していきます。
タイル下地(モルタル下地)について(1)
築年数の古いマンションは躯体コンクリートの精度が悪いということもあり、その多くは20~30程度のモルタル(水・セメント・砂を混ぜたもの)を左官工事にて躯体コンクリートの上に塗ることより、平滑な「タイル下地」を造っています。タイル浮き調査の打診調査で「コロコロ」と低く鈍い音がした場合、躯体コンクリートとこのモルタルの層の間で浮きが生じています。右の写真でグレーの箇所がモルタルで白い箇所が躯体コンクリートになります。
タイル下地(モルタル下地)について(2)
建物の新築工事では15年程前頃から躯体コンクリートの傾きや段差の精度を良くして、左官による下地補修を極力少なくするようになりました。その為、補修の必要の無い非常にきれいな躯体、コンクリート面に直接タイルを張ることによって、モルタルによる左官補修の必要が無く、左官補修の材料・手間の削減工期の短縮につながりました。
このようなタイルの浮きは打診調査で「カラカラ」と高く乾いた音がします。モルタル下地が無い壁は次の写真からも分かるように、白い部分の全面が躯体コンクリートでタイルと躯体コンクリートの間にはタイルを張る為の薄い圧着セメントしかありません。
タイルの剥離原因について
タイルのみの剥離
- タイルの圧着不足(たたき不足)
- タイル裏足に不純物が付着
- 圧着セメントの鏝圧不足
- 左官タイル下地の清掃不足
- プライマーの不適正使用(種類・濃度等)
- 塗り重ねた場合の1層目の塗り圧力不足
躯体コンクリートと左官モルタル間の剥離
- コンクリートの表面処理不足
- 不良モルタル・余剰モルタルの使用
- 左官モルタルの鏝圧不足
タイルの圧着不足について
タイルの圧着不足の防止
タイルの裏足は圧着セメントが完全に充填されていない為、空隙ができています。この空隙がタイル剥離の原因になります。
タイルの圧着不足については、タイルの裏面は、「裏足」と呼ばれ、凸凹した形状になっています。これは圧着セメントとタイルを喰いつきやすくし、タイルの剥離を防止します。
Service 04 各種サービス
塗料の品質管理
当社は施工に使用する材料についての管理を徹底しています。メーカー規定の塗布量や材料の成分を出荷証明書・組成表・性状表などのデータシートにより施工後、お客様にお伝えすることができます。
保証制度
当社施工保証と塗料メーカーの品質保証で、安心のW保証制度。最大10年間の長期保証も可能にしました。
アフターメンテナンス
施工完了後から無償点検いたします。当社施工範囲の工事で、弊社側の明らかなミス等の場合は無償で補修・改善いたします。